クロちゃんの魅力。それは「変わらなさ」
今やすっかり「クズ芸人」と呼ばれるようになった「安田大サーカス」のクロちゃん。
10年ほど前は「コワモテだが声が高い」という濃ゆいキャラ芸人として認知されたのだが、そんな強烈キャラも薄くなってしまうような「アイマスク芸人」だ。
もはや「虚言壁芸」と言わんばかりにツイッターが炎上しまくる代わりに仕事が絶えないクロちゃん。そのクズっぷりを「水曜日のダウンタウン」で遺憾なく発揮している。
想いを寄せる女性(レイちゃま)に言い寄ったが、ドッキリだとわかるとすぐに別の女に電話をし、
健康番組で体を心配されている医師たちに「アイツら頭おかしいから!」と暴言を吐き、
先日の2時間スペシャルでは2人の女性に「好き」と言ってしまう。
視聴者を驚きと不快にさせるクロちゃんだが、そもそもなぜこんなに露出があるのだろうか?そう思う人たちも多いはず。
ひと言でいうなら「変わらない」からでは無いだろうか。
「水曜日のダウンタウン」のドッキリを例に説明すると
何度もドッキリに引っ掛けられていて、自宅に隠しカメラを仕掛けられている。普通なら学習能力が身につき、少しでも違和感を感じたらカメラぐらい探してもおかしくはないのだが、そんなことをするシーンはひとつも無い。
水ダウのドッキリの仕掛け人として繰り出された「レイちゃま」からご飯に誘われた時点で勘のいいタレントなら気づくだろう。しかしホイホイ付いてきてしまう。
「あのベンチに行こう」と促された時点でやっと気づき、「信じてるから」の一言を残して落とし穴に落ちた。数分後にそこから這い上がってくる姿は哀愁たっぷりで今までになかった「可哀そう」という感情を視聴者から引き出した。
そうやってテレビ画面から釘付けにした所で、自宅のベッドに横たわりながら別の女を誘っている姿が映し出される。「水曜日のダウンタウンのドッキリ」と気づいているのに。(もちろん編集の力もあるのだろうが)
先日放送の「モンスターハウス」でも2人の女性に告白するという恋愛リアリティショーとしては「ありえない行動」をしていた。
「テレビだと知った上で勝算はあるのか?」とツッコまれていたが、そこがまさにクロちゃんの魅力のひとつである。
単純に、学習能力が無いのだ。
芸人ならドッキリだと気づいても「これドッキリだろ!」とは言わない。(出川を除く)
とりあえず状況に乗って踊らされる「受身の態勢」を取るのだが、クロちゃんは本当に気づかない。もしあれが仕事モードの姿だとしたら逆に恐ろしい芸人だが、まあ無いだろう。
本能の赴くままに行動し、己の愚かさに気づかない。そこが面白く、使う側の人間にとって「都合よく動いてくれる」ありがたい存在なのだ。
恐らくだが、水ダウのプロデューサー・藤井健太郎はおおよその流れを読んでいるだろう。読めなかったとしても芸人として信頼した上で起用しているはずだから心配してないだろう。人間としては信頼してなさそうだが。
藤井氏のインスタには「モンスターハウス」の住人6名が水曜日のダウンタウンを見ている姿が載っていた。
その後の修羅場も第4話で放送されるらしい。
どんな苦し紛れのいいわけをするのか。そのクズっぷりに目が離せなくなる。それが今のクロちゃんの魅力だと私は思う。