素人の批評は痛々しい。それでも「笑い」を語りたいんだ。

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賞レースの採点方法を考える

芸人にとって切っても切り離せない存在「賞レース」
2001年から始まったM-1グランプリを皮切りに様々なお笑い賞レースが誕生した。


そこで最も重要視されるのが「採点方法」
ルールが違えば同じ出場者・同じネタをやったとしても順位が変わってくる。
ぶっち切りのネタでない限りはこの「採点方法」で芸人の運命が変わると言っても過言では無い。


しかし、この採点方法を決めるのが難しいのである。老若男女すべての人間にウケるネタが存在しない様に、全ての人間が納得するルールなど存在する訳もない。


今回の記事は、あくまで「私が理想とする」採点方法を考えるというもの。人によっては「そうじゃないだろ」と言われかねないが、まぁただの素人意見だという事も考慮して頂きたい。


保険を張ったところで早速、大きな賞レースの採点方法から振り返ろう。


M-1グランプリ
基本は審査員7人が100点満点で採点する。第一回のみ他に一般審査員300人が1人1点で採点。
最終決戦は残った3組(第一回のみ2組)に1票投じる。


R-1ぐらんぷり

色々と試行錯誤、というか迷走が感じられた。
第一回・第二回は優勝者のみの発表で採点方法は公表されなかった。
第三回から第六回は5人の審査員が100点満点で採点の1ネタ勝負。
第七回は審査員が7人に増え、第八回はM-1と同じルールに。
第九回は1vs1のトーナメント戦で、ほぼ「ものまね王座決定戦」と同じ方式。
第十回から4人×3ブロックで審査員1人3票の投票で勝者1人を決める方式で固定となった。


キングオブコント
ここも迷走していた。初期は「芸人が芸人を審査する」という名目で準決勝敗退の芸人が審査するというスタイルだった。
第一回はA・Bブロックに4組ずつ分け1人5点満点×100人が採点。各ブロック1組が決勝に。決勝は進出した2組が票を入れ(相手に入れれば負けを認めるというルール)同票の場合は1stステージ敗退の6組が投票する。


第二回から第六回までは準決勝敗退の芸人100人が10点満点で採点。全組2回ネタを披露して合計点を競う「フィギュア方式」をとった。


第七回が「一騎打ち方式」2組のどちらが面白かったかを準決勝敗退者101人が投票し勝者を決める。ファイナルに進んだ5組が抽選により決定したネタ順で2本目のネタを披露する。まず1組目と2組目が対戦し勝者が暫定王者となる、そして暫定王者と3組目が対決し勝者が暫定王者となる。これを繰り返し暫定王者と5組目の対決の勝者が優勝となる。


第八回以降はバナナマン・さまぁ~ず・松本人志の5人が1人100点満点で採点。ファーストステージ上位5組(第十一回は上位3組)が2個目のネタを披露して合計得点で争われる。


THE MANZAI
3グループ(もしくは4グループ)×4組でネタ披露。審査員が1票を投じる。ファイナルも同様。


女芸人No.1決定戦 THE W
ほぼ「キングオブコント」第七回の一騎打ち方式。1対1の対戦形式で審査員は400人。
ファイナルステージは5組の中から1組を選ぶ。

 


様々な採点方法があるが、その中で私が個人的に思う不満をいくつか挙げよう。


M-1、KOCの「一組ずつ採点する」方式はトップバッターが不利


前の記事でも挙げた事があるが、最初に基準点を付けざるを得ない方法だと只でさえやりずらい一番手がさらに不利な状況になる。
その状況で優勝した中川家東京03の凄さが際立つが、やはりこの問題を解消するには点数を付ける方式は避けたほうがいいかも知れない。


・一騎打ち、ブロック制は運の要素が強すぎる


THE MANZAI・R-1の「ブロック製」やキングオブコント・THE Wの「一騎打ち」は上記の採点方式よりもくじ運次第のような気がしてならない。


理由を過去の事例で例えると、記念すべき第1回のキングオブコントはA・Bブロックに分かれての採点。Aブロック勝者のバッファロー吾郎の点数は、Bブロック2位で敗退したロバートより低かった。(バッファロー吾郎460点・ロバート473点)


THE Wのタイマンも、正直勝ち上がるほどのものでない芸人がファイナルに進むこともあった(ように私は見える。)


しかしこの採点方法、審査する側は点数を付けるより負担が少ない。単純におもしろいと思った方に投票すれば良いからだ。


票を投じるよりネタに点数をつけた方が「テレビ的」ではあるが、昨今の審査員が苦しむ姿を考えると、そこも考慮するべきだろう。


・審査員の少なさ
正直、現存するルールの中で最も公平だと思うのがキングオブコントの「芸人100人が10点満点で採点する」方式だと考えている。


なぜなら、現在のKOCの審査方法「審査員5人」は1人に対する影響力が大きすぎるからだ。


第9回「ライス」がキングになった回はライスとジャングルポケットは1stステージは同点だった。
ファイナルでライスとジャンポケの点数は6点差で、審査員の設楽統が付けた2組の点数も「6点差」だった。


これは別に設楽の悪口ではない。差を付けるのは良いのだが1人の意見がモロに反映される。それが審査員の「数」なのだ。


正直、審査員は師匠クラスの芸人100人が採点して欲しいが、現実的では無い。

 

 


これを踏まえて、今回は「THE W」のルールを考えてみた。理由は「なんか次から変わりそう」だから。


・決勝進出者(仮に10組)がA・Bの5組づつに分かれるブロック制
・審査員(芸人。10名以上の奇数)一人ひとりが5組の順位を付ける
・1位5P・2位4P・3位3P・4位2P・5位1Pが与えられ、合計得点が高い上位2組がファイナルへ進む
・ファイナルは4組に順位を付け、1位4P・2位3P・・・とする。
・同点の場合、審査員それぞれが上に順位を付けた方を1票とし、票が多い方を勝者とする

 


最近のABCお笑いグランプリの採点方法である「個人でランキングを付け、ポイントを与える」という方式を参考にした。


個人によって点数の付け方にばらつきがあるのを防げるし、さらに「ブロック制は運の要素が強い」と指摘したが、そこを1組が勝つのではなく2組勝ち上がりにする事で運の要素をカバーできると考えた。


審査員も影響力を考えると5名や7名とかでは無く、出来れば10名以上が望ましい。

 


ということで勝手ながらTHE Wの審査方法を考えたが、THE Wに限らず「ネタを審査する番組」は芸人の未来がかかっているという重大さを念頭に置いて欲しい。