素人の批評は痛々しい。それでも「笑い」を語りたいんだ。

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深刻な「M-1ラストイヤーバイアス」問題

今年もこの季節がやって来た。

natalie.mu

M-1グランプリのファイナリストが決まり「今年は誰が勝つんだ?」とお笑いファンにとって話題の中心になっている。


さて、今回はこのM-1に関する「ルール」について語りたい。


そのルールとは「結成15年以内」という出場条件。


創設者・島田紳助が「辞めさせる場所も作らないとアカン」といった経緯で「結成10年以内」という決まりが作られた。


「10年やって準決勝行けないようだったら、辞めなさいよ」というメッセージらしい。

プロ棋士の「26歳まで」という規則に似ている。とにかく漫才師としてダラダラ続ける者が減るようにという配慮なのだ。


2015年に復活してから「結成15年」に伸びたが、この出場制限が「審査の邪魔」になっているのではないのかと思っている。


例を挙げよう。2010年のM-1は、最後の大会というアナウンスがあった。


2002年から8年連続で決勝進出した「笑い飯」の優勝で幕を閉じたのだが、 あの時はダークホースが飛躍していた。それが「スリムクラブ」だ。


とにかくボケ数を多くするのがM-1の定石だが、その逆を行くスローテンポ漫才でファーストラウンド3位になった。


ファイナルラウンドの漫才で言った台詞「民主党ですか?」は衝撃的で、完全に印象に残ったのは笑い飯ではなくスリムクラブだった。


そして昨年2017年。本命と言われた和牛が2位となり、優勝したのはラストイヤーの「とろサーモン」だった。


笑い飯とろサーモン、どちらもラストチャンスで、どちらも「1位4票・2位3票」というギリギリの優勝だった。


「ラストチャンスで悲願の優勝」というストーリーはドラマチックだし、審査員側も芸人の苦労も知っている。だからこそ「勝ったほうがいいコンビ」に票を入れたくなるのだ。


笑い飯とろサーモンが面白くないと言ってる訳では無い。むしろ納得の面白さなのだが、勝負の世界で審査がブレている様に見える。それが「ラストイヤーバイアス」だ。


今年はGyaoでラストイヤー芸人を追う企画も進行している。正直、今年もラストイヤーの芸人が優勝する気がしてならない。


しかし、そもそもネタがつまらなければ流石に審査員も点を入れない。


だから、せめていっそのことファイナルステージ3組をラストイヤー枠で埋め尽くして最後ぐらいはバイアスがかからない状態で勝負して欲しい。

 

ただ、私が勝手に言ってる「ラストイヤーバイアス」なる現象も、「本当に面白いのにバイアスかかってる様に見えてしまうバイアス」になっているかもしれない。

 

笑いの基準など元々曖昧なもの。我々素人が悩み考えても仕方の無いことなのだろう。