素人の批評は痛々しい。それでも「笑い」を語りたいんだ。

お笑いばっかり見てます。twitter @bigintercourse

「女芸人No.1決定戦 THE W」のどこがいけないのかを考える

今週月曜日に開催された「女芸人No.1決定戦 THE W」
今年は阿佐ヶ谷姉妹の華麗なる優勝で幕を閉じた。
さて、このTHE Wは大会発足時から批判の声が相次いでいた。今回の記事は私なりの意見を書きたいと思う。

 

「男女差別」


漫才・コント・ピン・歌ネタと数多くの賞レースがある中、「女」というジャンルにおいて男は絶対に出場出来ない。
差別的な意見があるが、私は正直「フェミニストが騒ぐための武器にされている」としか思っていない。
女芸人の中で一番を決めてもいいじゃないか。今までスポットが当たりづらかった「女性」という枠。そこに焦点を当てて何が悪いと私は思う。問題は次だ。

 

「賞金1000万円」


これが問題なのだ。
観たことある人ならお分かりだろう。賞金が同じM-1・KOCとは比べ物にならないぐらいのレベルなのだ。
女芸人がつまらないとは全く思ってないが現在活躍している「売れてる女芸人」が出場しない以上、「そんなに」な芸人を繰り上げざるを得ない訳でそんな人に1000万円のチャンスがあること自体を疑問視してしまう。
正直、500万円でも300万円でも十分に価値はあると思うのだが、やはり話題性を重視するとなると1000万円なのだろう。

 

「ルール」


ほぼKOCの「一騎打ち」ルール。このルールでシソンヌが優勝したわけだが、TBSは次の年にすぐルールを変えた。それぐらい不評だった。何故このルールで行うのか?
それは「タイマン対決にするとドラマが生まれやすいから」
ピン同士・漫才師同士など共通点があればそこを掘り下げ、全く違う2組でも言い方次第で良いマッチメイクの様に見えてしまう。芸人を使ったドキュメンタリー要素が欲しいのだろう。

 

「審査員」


THE Wの審査員は一般人。これまで笑いのプロじゃない人間が決めていいのか?という意見が多数あったが、今年のM-1の炎上案件後はその声も少なくなった。

news.livedoor.com


単純に面白いと思った一組に票を投じればいいので審査する方もやりやすいだろう。「素人の審査」というのを考慮した結果、あのルールに落ち着いたかもしれない。

 

「ネタ中の演出」

 

悪い点ばかり挙げたが、それだけではない。
他の賞レースはネタ中に審査員やゲストの表情を映すことがある。
M-1なんか司会の上戸彩を何回もカメラで抜いていた。綺麗だが、邪魔だ。(勿論上戸彩は悪くないが)
しかしTHE Wではネタ中一度も画面が切り替わることは無かった。
4分間、ゴールデンの時間を独占できるのは芸人にとってこの上ない幸せな事だろう。売れてないなら尚更だ。

 

「10組」


正直、多い。しかし賞レースの存在意義として「ファイナリスト」という肩書きは芸人にとって欲しいものである。
SNS上でよく「放送事故」と言われるぐらいスベる人もいるが、決勝進出経験というのは今後の仕事に繋がりやすい。
「女芸人の発展」を目的とするなら10組ぐらい居ても良いだろう。

 

最後に、社会学者の太田省一は「THE Wのような女性限定のイベントが出来るということは、女性がまだ女性枠としてしか評価されていないことの裏返し」。 とコメントしている。
女性芸人当人にとってはこんな事を言われるのは悲しいだろう。
来年は男もねじ伏せられるような爆笑を取れる女芸人が誕生する事を願っている。