素人の批評は痛々しい。それでも「笑い」を語りたいんだ。

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水曜日のダウンダウンでななまがりが挑んだ98時間 ~「令和」に辿り付くまでの軌跡~

昨日5月8日に「水曜日のダウンタウン」が放送された。


今回の企画は「新元号を当てるまで脱出できない生活」


4月1日に発表された新元号「令和」を当てるまで隔離されるという企画。


挑戦者はキングオブコント2016のファイナリスト「ななまがり」

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「スケジュールガラ空き」「大卒で教養がある」そして「森下が新元号発表顔」という点での選出だ。


よしもと本社に来ているななまがりを「優しく」拉致し、車に乗せる際も「ただいま撮影中」という紙を掲げていた。


過去に「数珠つなぎ企画で1番過酷なのジョジョの鉄塔システム説」の第2弾でコロコロチキチキペッパーズナダルを拉致した際に警察沙汰になった為、このような「優しいんだか、優しくないんだか、よくわからない」配慮を取ったと思われる。

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番組の予告段階でSNS上では「新元号当てるなんてムリじゃね?」という声が多数寄せられた。私もその一人だ。


過去にプロデューサーの藤井健太郎が手掛けていた「クイズ☆タレント名鑑」で似たような企画が行われている。


若手芸人「エッグ矢沢」が一切の情報を遮断された状態で生活する「情報源人チャンス」という企画だ。


2010年のワールドカップ開催中にエッグ矢沢を拉致し監禁。そこから一切の情報を得ることができずに3週間ほったらかされるという苦行にも似た生活を送っていた。(食事などは支給される)


拉致監禁から3週間後、「クイズの優勝チームが100万円を獲得するチャンス」として情報源人エッグ矢沢に「2010年のワールドカップ優勝国はどこ?」というクイズが出された。


「スペイン」と答えれば正解し、この生活に終止符が打たれるのだが情報が入っていない為、勘で答えるしかなく不正解。


そこから暇つぶしアイテムを貰いながら週に1度のクイズに答えるが正解できず、結局エッグ矢沢のギブアップにより半年余りで企画は終了した。


今回の新元号当てもクイズとしては無理難題。ノーヒントで正解できる訳がない。一体どういった塩梅でヒントが出されるのか注目していた。


元号当てるまで出れない生活のルールは


・5分に1度解答権があり、習字で回答。額縁に入れて答える。
・朝食、昼食は支給され夕食は漢字クイズの成績により支給される。
・午前0時に2000円支給され、新元号が発表された午前11時41分に漢字の多画数クイズが出題。1画200円換算で支給される。
・支給されたお金で生活用品・嗜好品・そしてヒントが買える。


このルールも水曜日のダウンタウンで過去に行われた「クロちゃん、どこかに閉じ込められてもTwitterさえあれば助けてもらえる説」を踏まえている。

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クロちゃんには隔離された状態で100万ペリカが支給され、トイレや食事など生活に必要不可欠なものをペリカを消費しながら助けを待っていた。


結局一般住民の方々に迷惑をかけた為、企画そのものが中止に終わったが、今回のななまがりは「ペリカ」ではなく「円」を自ら稼いで、自らの力で脱出しなければならない。


拉致されてから企画がスタートするまで15時間・食事にありつけるまで23時間・ヒントが買える事が判明するまで24時間と、水曜日のダウンタウンらしい「鬼」のような時間分配にななまがりも心身共に疲れ果てる。


解答を繰り返しても一向に出ない「令和」。勿論ヒントが無いままなので当然である。
そして解答し続けて24時間。ようやくヒントを買うことができる「資金獲得チャンス」が巡ってくる。


3000円を獲得した2人がまず買ったのが、3000円の「ヒント梅」ではなく「タバコ」。15分悩み抜いてタバコ・ライター・トイレットペーパー、計500円である。


トイレットペーパーはともかく、嗜好品であるタバコを買わないとやってられなかった部分はあるのだろう。


そこから12時間後に2000円を獲得し、「新元号発表による街の反応」を見ることができた。しかしざっくりした感想しか無く、まだまだ道のりは遠い。


1日かけ8100円を稼ぎ、100円で買ったタバコを吸いながら「幸せやったんやな俺達」「売れてないから全然もうアカンわって思ってたけど幸せな日々を送ってたよ」と嘆く。


まるで台本があるかのように「何でもないような事が幸せだった」とプロデューサー藤井健太郎が大好きな「ロード」を流す。水曜日のダウンタウンらしいVTRの作りだ。


必死に貯めた一万円で「ヒント松」を購入。もらった物が「ランプ」。


何がヒントに繋がるのか、わからないまま解答し続け「世京」でランプが少しだけ光る。


「画数が一緒」ということでランプが反応したのだが、それだけでななまがりが判る筈も無くその後も苦戦するが「総和」でランプが激しく光る。「ってことは、和か??」と、ついに正解に近づく。


そして「蓮和」でランプを2回光らせる。「れんが近いってことか?」と、どんどん「令和」に歩み寄る。


それまで「歯姫」を出すほどの奇人だった森下が

 

「れ だけ合ってる可能性とかない?」

「れいわ とかにしてみて」

 

と、ついに正解に辿り付く。


そこから試行錯誤し初瀬がランプのしくみを解き明かす。


「和は合ってて、5画のれいってこと?」


これが決め手となり921回目の解答で新元号「令和」を導き出した。挑戦時間98時間40分の戦いである。


スタジオとお茶の間に「(謎の)感動」を与えた今回の水曜日のダウンタウン

 

 


前にも「おぼんこぼん解散ドッキリ」放送以降、他の番組でもおぼんこぼんの名前を聞く機会が増えた。

bigintercourse.hatenablog.com

今回の過酷な挑戦を成し遂げたななまがりも、これをきっかけに露出が増える事を願う。


それはそうと、個人的に気がかりなことが何箇所かあった。


・生活必需品が買える「物品表」には歯ブラシセット、お風呂セットや衣類、そして食べ物も用意されていた。
・漢字クイズによる食料獲得チャレンジは夜だけで朝と昼は無条件で至急される。
藤井健太郎ツイッターで発言した『ヒント竹は「過去の元号一覧」でしたよ。』


これを見るからにこの企画、4日間で済ませる気はさらさら無かったのではないだろうか。


2人は風呂に入るのも我慢したが、番組側はとにかく獲得したお金を使わせたかったのではないのでは?


そして毎食やっていいだろう漢字クイズもあえて夜だけにしたのは長期を見越してのルールではないのか?


極め付けはヒント竹の「過去の元号一覧」。そこから「令和」に辿り付くのは困難を極める。(過去に「令」が無い為)


さらに奈良時代には4文字の元号があるため「2文字じゃないのか?」とさらに路頭に迷う可能性が高かった。


都市伝説の如く、私が勝手に解釈して勝手に書いてるだけだが、水曜日のダウンタウンなら「1ヶ月ぐらい隔離できるルールにして令和になった時に脱出してもらおう」と考えてもおかしくない。考えただけで恐ろしい話である。


なにがともあれ、平成最後にして本当にガチの「リアル脱出ゲーム」をクリアしたななまがりが日の目を浴びたことには違いのない1日だった。

ドキュメンタル7 感想

※この記事にはネタバレが含まれています。まだご覧になられていない方は 「ドキュメンタル シーズン7」をご覧になってからお読みください。

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4月26日にアマゾンプライムビデオにて「ドキュメンタル」の最新話であるシーズン7が一挙配信された。今回はその個人的な感想を綴る。


●千鳥ノブ
ドキュメンタル史上最弱の防御が課題だったノブは「泣き顔」という、まさかのザブングル加藤と戦略かぶりをみせた。結局泣き顔をしようとする前に笑ってしまい最初の退場者となった。


霜降り明星せいや
1番の後輩だが得意のモノマネで果敢に攻めた。しかしノブと同じく防御力が弱く2番目の退場に。「残念!」のタイミングでブザーが鳴るシーンは見事なタイミングだった。


●トム・ブラウンみちお
昨年のM-1で鮮烈なデビューを飾ったトムブラウン。そのボケであるみちおは正に「謎の男」であり、まだどんな事をする芸人か掴めない印象だったが、フタを開けたら見事な「狂気」だった。
しかし笑い方も狂気染みていた。馬鹿笑い二回でレッドカードを喰らい、悔しい思いをした。


たむらけんじ
「オールラウンドプレイヤー、なのにおもんない。」という矛盾が生じてる珍しい芸人。「もう笑いたい!」という発言は意外と今まで誰も言わなかった名言であると私は思う。


フットボールアワー後藤
前回は「春日のカレー」を生み出すナイスパスを見せたが、ゲラであるため今回も苦戦を強いられる。何度も笑いを堪えてはセーフ判定になっていたが、結局は全てザコシショウの餌食になった。


小籔千豊
「番組や松本さんに迷惑をかけるのだけは避けたい」と言っていた小藪。綺麗なツッコミでカウンターを狙ったり新喜劇の後輩、今別府直之ポンコツで笑いを誘うも後半になるに連れて防御が弱くなり、残り数分での退場となった。


雨上がり決死隊・宮迫
自身の癌をネタにしたり、大先輩の中条きよしにですよ。をやらせたりと中々に攻めたが、最後は膝から崩れながら笑ってしまった。


東京ダイナマイトハチミツ二郎
「皇帝」と呼ばれたザコシショウをついに笑わせた。P1層(パチンコやってる人の層)からの支持が熱い2人。だからこそ、とにかく笑わないハリウッドザコシショウの牙城を崩せたのだろう。ただ、最後の2分は準備に時間をかけて戦う姿を見せれなかった。恐らく残り2人にラストを任せて自分は身を引いたと思われる。


ハリウッドザコシショウ
攻守共に最強で、もはや彼を誰も「ザコ」と呼ぶものはいないだろう。
誇張モノマネ・狂った動画・尽きないネタ。正にドキュメンタル向きの芸人と言えよう。
絶対王者」と呼ぶに相応しい彼を止められる者はいるのだろうか。
そもそもディフェンスもオフェンスも強すぎる為、次呼ばれるかも怪しいが。
(個人的な意見だが、過去の優勝者が出場できるとわかった今、野生爆弾くっきーは参戦を待ち望んでいるのではないだろうか?)


ザブングル加藤
今回のドキュメンタルの主役と言っても過言ではない、それぐらいの活躍ぶりだった。
さんまのお笑い向上委員会」を見てない人からすると「なぜザブングル加藤?」と思うかもしれないが、良くも悪くもとにかく爪痕は残す。その姿から「魔王」と呼ばれる。
その魔王がとにかく仕掛けまくり、玉砕していく。しかしこの姿こそが笑ってしまう点であり、ポイントはザコシショウに次ぐ2位だった。その泥臭い戦い方は賛否両論あると思うが1000万円の可能性は充分にあるプレイヤーであった。


そんな魔王加藤に一言いいたい。

 


最後「悔しいです」って言えよ!!!

ホリケンがIPPONグランプリ「新元号大喜利」で見せた真骨頂

去る4月20日、「IPPONグランプリ」21回大会が放送された。
平成最後の大喜利王を決める今大会。


Aブロック勝者の堀内健とBブロック勝者の秋山竜次が決勝で魅せた「架空芸人自己紹介大喜利」。

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即興で考えた芸人の名前を交互に言うという新形式の大喜利。「×」判定が出るまで続行するともりが、永久に続く笑いのラリーに松本人志がストップをかけた。

 

視聴者が「これだけで番組をやってほしい」という声が挙がるくらい非常に魅力的な大喜利だったが、やはり今回特出すべきは、Aブロックサドンデスだろう。


「新元号発表の雰囲気で何かを発表してください」


このサドンデスのみ「額縁を模したフリップ」を使い回答する。


大喜利」という戦いはその人間の色が出やすい。


バカリズム千原ジュニアは「技巧派」、野生爆弾くっきーは「狂気」、そしてホリケンは一言で言うと「アホ」である。


バカリズムが回答する前にホリケンは「綺麗なうずまきを書いてそれを回す」という見事な回答でIPPONをかっさらった。


皆が絶賛するこの手法、実はホリケンが以前からやっていたのだ。


「ネプリーグ」がクイズ番組になる前の30分番組だった頃、「秋葉カンペーさん」というキャラをやっていた。

ja.wikipedia.org


これはアイドルのイベントにホリケンこと秋葉カンペーさんが観客として紛れ込み、スケッチブックにカンペを書いて出すというもの(アイドル当人はこの事を知らず、大体困惑する)


その時にもうずまきは書いていた・・・と思う。筆者の記憶違いでなければの話だが。


ドラマ版電車男にも出演した秋葉カンペーさん。誕生から15年以上が経過しているが、ネプチューン堀内健は相も変わらずアホな少年のようなことをやっている。


そこがホリケンの魅力であり、バカリズムと並ぶ4度に及ぶIPPONグランプリ最多優勝の実力者なのだ。第22回大会以降、もしかしたら新たな記録を作るかもしれない。


元号になった「令和」の時代にも変わらないホリケンの活躍に期待したい。

お笑い賞レースの勝ち方とは

R-1ぐらんぷり。2019年はM-1王者の霜降り明星粗品が二冠という快挙で幕を閉じた。


さて、今年は決勝戦の前に予選でキートンが審査に対して苦言を呈していた。


昨今「笑いに対する審査」に関して様々な意見がある。我々の様な素人がああでもないこうでもないとSNSに発信したり、上記の様に舞台に立つ者が結果に納得いかず怒りを露わにすることもある。


しかし「お笑い賞レース」に向き合う時、本当にその姿勢でいいのかと疑問に思ってしまう。


M-1グランプリ2009王者である「NON STYLE」。


ボケた後に太ももを叩いてボケ数を増やすという計算され尽したネタで見事優勝を果たした。


そのNON STYLEのネタ作成者、石田明テレビ朝日「EXD44」で「先輩のネタにダメ出しをする」という企画に参加。


その時に、M-1でやったネタについてこう語る。

 


M-1のネタなんて全然好きじゃない。二度とやりたくない。」

 


私はこれを聞いて衝撃だった。


やりたいネタより勝つためのネタだった。M-1で披露した二本の漫才は、二度とやりたくないというぐらい「愛が無いネタ」だったのだ。


そしてチャンピオンの忘れられない言葉がもうひとつ。


霜降り明星M-1優勝後、NSCの特別講師として授業をした際の言葉が忘れられない。

natalie.mu


せいや「上の世代の方々はキン肉マンやプロレスを使ってガンガン笑いを取ってきたが、僕らの世代にはそれがなかった。だからこそ僕らがK-1とかポケモンで笑いを取っていくべき。サム・グレコピーター・アーツイーブイシャワーズでガンガン笑いが取れる時代がそろそろ来ると思っています」


そう考えると、M-1の時のネタは「上の世代の方々」である審査員に歩み寄った漫才に見えてくる。


賞レースに関する様々な意見が見られるが、これまでの事を考えると「芸」と「勝ち方」というのは全く違うのではないかと思ってしまう。


正解のない「笑い」という世界で生き抜く為には、こうやって棲み分けることが重要なのかも知れない。

あの頃の青春をもう一度「爆笑オンエアバトル」

昨日、オンバト20周年記念特番が放送された。

 

1999年から2014年までNHKで放送された「爆笑オンエアバトル


100人の一般人が審査員となり、面白かった芸人に対してゴルフボールを転がす。
出場芸人の半分しか放送されないという「史上最もシビアなお笑い番組」だ。

 

今回の特番では最初に過去の出場者が昔の映像を観ながら語り合う「同窓会」的な企画を行う。


これも十分見ていて楽しいが、何度かやった事のある企画でもあり新鮮味は感じられなかった。

 

今回、最も盛り上がったのは第二部の方である。

 

現在活躍している「オンエアバトルに出場した事のない若手芸人」10組が、あの頃と同じ様にオンエアを勝ち取るための戦いを繰り広げるのだ。

 

その出場芸人10を選出したのが、R-1のファイナリストにも選ばれた「大輪教授」とM-1 2001の準優勝であり、オンエアバトル4代目チャンピオンの「ユウキロック」。
二人とも現在はお笑い養成所の講師を務めている。


今のライブシーンを観て選んだ10組が「オンバトらしさ」全開だった。

 

かが屋
キャメロン
空気階段
ザ・マミィ
東京ホテイソン
ネイビーズアフロ
ヒコロヒー
ファイヤーサンダー
宮下草薙
ヤーレンズ


そして見事オンエアを勝ち取った5組の中、一際目立っていたのが「ザ・マミィ」の酒井だった。

 

小学5年生の頃からオンエアバトルを観て、芸人を志した。夢に向かうキッカケをくれたオンエアバトルで見事勝ち抜いた嬉しさで号泣していた。それぐらい、いわゆる「お笑い第7世代」が影響を受けた番組なのだ。

 

今回の演出は爆笑オンエアバトル初期をそのまま使う素晴らしい手法だった。

 

2019年の今を駆け抜ける芸人をピックアップしながら我々の様な青春時代にお笑いを見ていた視聴者をノスタルジックな気持ちにさせてくれた。


そして、あの時の「空気感」を思い出させてくれる特番であった。

 

SNSではレギュラーとしての復活を望む声が多数ある。
もしかするとNHKの伝説の番組が毎週観れる日が来るのも時間の問題かもしれない。

R-1ぐらんぷり2019 感想

3月10日、「R-1ぐらんぷり2019」の決勝戦が行われた。今回も各芸人の感想を好き勝手に書く。

 

【Aブロック】
●チョコレートプラネット松尾
2014年に準優勝したレイザーラモンRGの様に「知名度のあるトップバッター」がいい役割をしていた。
しかし売れっ子が故の「ネタバレ感」が拭えなかったのが敗因の一つではないだろうか。


クロスバー直撃 前野悠介
小道具を数個紹介して終わりかと思いきや、メルカリで売ってるという現代っぽさに思わず吹いてしまった。
小道具芸だけでなく、そこから派生するフリップ芸は見事であった。獲得票数がゼロだったというのが今大会のレベルの高さを物語っている。


こがけん
「歌が上手くなりたい」というフリの時点で大体の展開は読めてしまいそうだが、ちゃんと裏切って、しかも面白い。
ただの芸達者では終わらず、ちゃんと場の雰囲気を巻き込む力もあった。


セルライトスパ 大須
「舞台に立つ人間は大きな声で」の定石を覆す見事なネタ。
M-1 2009の「M-1はハイスピートでボケ数多く」を覆したスリムクラブを思わせる衝撃だった。
あと、下敷きは高くない。


【Bブロック】
●おいでやす小田
例年通りの安定感を見せるが「小声芸で爆笑を獲られた次の出番」という、今回も最悪のタイミングで魂の叫びネタを披露した。
ネタ順に泣かされ、ルールに泣かされたこの男が報われる日はいつ来るのだろうか。


霜降り明星 粗品
基本やっているネタは変わらない。それを磨きに磨き上げ、見事に原石からダイヤモンドにしただけの事である。
粗品の元々持っているお笑いスキルの高さは脱帽物である。


ルシファー吉岡
「コント男優」という異名を持つルシファーが今年は下ネタを封印しつつも、男子学生が抱える悶々としたスケベ心を見事に表現した、
今の時代のゴールデンタイムで披露するにはいい塩梅の素晴らしいネタだった。
おいでやす小田同様に「面白いのに売れ切れない」いつになったらトロフィーを手に出来るのだろうか?


●マツモトクラブ
今年も安定的な強さを見せつけ復活ステージから勝ち上がった。ルシファー吉岡よりも直接的にエロを入れていた。
Bブロックの負け組は見事にM-1王者に泣かされた結果となった。


【Cブロック】
●だーりんず 松本りんす
まさに「くだらない」の一言が似合うカツラ芸だが、松本りんすのダンディさが上手く調和していた。
同事務所で昨年3位だったロビンフットのおぐと同じ「ハゲネタで3位」だった。

 

河邑ミク
高校生カップルの別れの流れで大阪をディスったネタ。青森県民の私には正直ピンと来ない内容だったが、反省会でケンドーコバヤシが「大阪生まれ・大阪育ちの俺が100%否定できないネタだった。」と言っていたので
相当高品質の大阪人あるあるだったのだろう。

 

三浦マイルド
大阪をイジるネタの次は広島をイジるネタ。何故R-1は偏るのだろうか。
めくるのに手間取っていたのも敗因ではあると思うが、同じフリップ芸の粗品と比べると、やはりテンポが良くなかったのではないだろうか。

 

岡野陽一
今年はR-1の客に関する避難が多かったが、元巨匠岡野だけは私個人の意見としては「悲鳴がプラスに働いた」のではないかなと。見事な狂人コントだった。
客が審査する場合ならポイントが入らない為もっと批難されるべきだろうが、テレビの前で見ている分だとあの悲鳴がおじさんの狂気を増大されたように感じ取れる。

水曜日のダウンタウンの影響力

先週水曜放送の「水曜日のダウンタウン


その中で放送されたのが「芸人解散ドッキリ 師匠クラスの方が切ない説」
芸歴を重ねた師匠に解散ドッキリを仕掛けるという攻めた企画だ。

 

一組目の「東京丸・京平」は仲の良さが垣間見えたが、この企画が話題になったのは二組目の「おぼん・こぼん」だ。

 

仲が悪いコンビが解散ドッキリをしたらどうなるか。しかも芸歴53年。


結果は見事な喧嘩別れで解散決定。ドッキリだと知ったこぼん師匠は「やっていい事と悪い事がある」と怒っていたが、プレゼンターの小藪から「せっかく頂いた仕事だから放送してもらう」「あんな事があったのに次の日の舞台では大爆笑をとった」と説明があった。

 

さらに、ツイッター上では
浅草東洋館の舞台出番がナイツ→東京丸・京平おぼん・こぼん」というラインナップが水曜日のダウンタウンプロデューサーの藤井健太郎から紹介された。

 

この舞台は立ち見も出る程の満員御礼だったそうだ。


私は、というか視聴者の皆々様も思っている事だろうが、「テレビの影響力」はまだまだ力強いんだなと実感している。

 

昨年2018年12月に放送された「モンスターハウス最終回」の騒動も記憶に新しい。

 

視聴者投票で「クロちゃんの行動は許せない」に90%以上の票が入り、檻にほぼ24時間入れられるという罰が執行された。

それを観に来た客がごった返し、会場のとしまえん周辺に被害が出てしまった為、止む終えず中止の運びとなった。

 

今回の演芸場を満員にしたのは前回の事件とは違い、非常に喜ばしい事だ。

 

「テレビ」というメディアが弱くなっているのは事実。しかし、視聴者に与える影響力はまだまだあるんだぞ。というのを水曜日のダウンタウンを見て感じ取れる。

 

これからも人々の心を動かすような番組を制作してもらいたい。勿論、怒られない程度に。