素人の批評は痛々しい。それでも「笑い」を語りたいんだ。

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お笑い賞レースの勝ち方とは

R-1ぐらんぷり。2019年はM-1王者の霜降り明星粗品が二冠という快挙で幕を閉じた。


さて、今年は決勝戦の前に予選でキートンが審査に対して苦言を呈していた。


昨今「笑いに対する審査」に関して様々な意見がある。我々の様な素人がああでもないこうでもないとSNSに発信したり、上記の様に舞台に立つ者が結果に納得いかず怒りを露わにすることもある。


しかし「お笑い賞レース」に向き合う時、本当にその姿勢でいいのかと疑問に思ってしまう。


M-1グランプリ2009王者である「NON STYLE」。


ボケた後に太ももを叩いてボケ数を増やすという計算され尽したネタで見事優勝を果たした。


そのNON STYLEのネタ作成者、石田明テレビ朝日「EXD44」で「先輩のネタにダメ出しをする」という企画に参加。


その時に、M-1でやったネタについてこう語る。

 


M-1のネタなんて全然好きじゃない。二度とやりたくない。」

 


私はこれを聞いて衝撃だった。


やりたいネタより勝つためのネタだった。M-1で披露した二本の漫才は、二度とやりたくないというぐらい「愛が無いネタ」だったのだ。


そしてチャンピオンの忘れられない言葉がもうひとつ。


霜降り明星M-1優勝後、NSCの特別講師として授業をした際の言葉が忘れられない。

natalie.mu


せいや「上の世代の方々はキン肉マンやプロレスを使ってガンガン笑いを取ってきたが、僕らの世代にはそれがなかった。だからこそ僕らがK-1とかポケモンで笑いを取っていくべき。サム・グレコピーター・アーツイーブイシャワーズでガンガン笑いが取れる時代がそろそろ来ると思っています」


そう考えると、M-1の時のネタは「上の世代の方々」である審査員に歩み寄った漫才に見えてくる。


賞レースに関する様々な意見が見られるが、これまでの事を考えると「芸」と「勝ち方」というのは全く違うのではないかと思ってしまう。


正解のない「笑い」という世界で生き抜く為には、こうやって棲み分けることが重要なのかも知れない。