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摩訶不思議な演出で視聴者を虜にしたR-1王者「霜降り明星 粗品が 今一番やりたい企画TV」

昨晩、7月15日にR-1ぐらんぷり優勝者特番「霜降り明星粗品が今一番やりたい企画TV」が放送された。

tver.jp


1時間の枠を好きなように使っていいというR-1の優勝特典。


過去には「芸能界で生き残る方法」の類が多かったのだが、今回の特番で粗品は「本当にわがままを言わせてもらいました」「あんまり見たことがないようなことをするのが好きなので、そういう番組になっていたらいいなと思います」と言っていた。


番組内容は「街ブラであらゆるものにツッコミを入れて頭文字50音全て使う」というもの。


ツッコミで2冠を達成した粗品だからこそのシンプルな企画だと思っていた。そう、番組開始10分までは・・・


商店街ロケで訪れた1発目のコロッケ屋のやりとりで「ツッコむ相手は素人ではなく仕込み」というのは大体の人が気づくだろう。


そこから魚屋→音楽教室靴屋整骨院と続き、整骨院で施術を受けるために顔に布をかぶせてもらう。すると、また番組のオープニングが始まったのである。


先程と同じ映像が流れていたため、視聴者は困惑する。そしてまた整骨院で顔に布をかぶせてもらうと、同じようにオープニングが始まる。


見ている側は「なんだこれ?」と思うが、3回目で画面内の粗品の反応にも変化が起きる。


周りを見渡し違和感を覚えた粗品が「この企画、前やったことありましたっけ?」と聞く。


3回目にしてツッコミにも変化が訪れ、ループしていることに気づく。


4回目の整骨院でループから抜け出す秘策を思いつく。


5回目で「50音全て使ってツッコミをする」ことで見事にループから抜け出すことに成功した。


同じシチュエーションで別のツッコミをして50音を埋めるという見るからに大変そうな企画であった。

 


しかし番組は無事終了したが、これだけで終わる訳ではなかった。最後に粗品は「スッキリしない方は紙とペンを持ってもう1回見てください」


この1時間の特番、ただのループ物ではない。相当に手が込んでいた番組だったのだ。


ここから視聴者の「考察」が始まり、何度も見返し、「こういうことではないのだろうか」とSNS上で発表する人が続出した。


どこからが粗品の思惑通りなのか、はたまた単なる偶然なのかはわからないが、SNSで挙がった考察を紹介しよう。


・ツッコミの頭文字が文章になっている
さいしょからそこあるきなおせ(最初からそこ歩き直せ)
にゅうねんにみきわめろ(入念に見極めろ)
むりやりすべてのもじをつかえ(無理矢理全ての文字を使え)
ぷちぼけにはひぼんにたとえまくれ(プチボケには非凡に例えまくれ)


・ナレーションは「最上もが」(繰り返している名前)


・ロケ地の「桃谷中央商店街」シンボルマークが「桃」で繰り返す言葉


・『小さな黒人』『ねこふんじゃった』はループする曲


・ロケに同行した谷本星奈アナのブログを縦読みすると「ながいくりかえし」「だれかたすたすけて」


・谷本星奈アナのツイッターでも同じ内容のツイートがあり、そこでもループしている。

www.ktv.jp


・いくらの親である鮭は元の川に戻る習性がある。つまり「元に戻る」


・コロッケ屋の「10年になるかな」は粗品がR-1挑戦から10年経ったという事を表している。

 


特に注目されていた意見は粗品が好きなアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の「エンドレスエイト」関連の考察である。


・R-1準決勝で落ち続けたことを「エンドレスツー」と呼び、早く決勝進出してループから抜け出すことを目標にしていた。


粗品が作成したオリジナル楽曲が8ビット=「エンドレスエイト」から取っている。


これ以外にも様々な憶測が飛び交っている。業界内でもこの番組を賞賛する声も多数かける。それほどこの優勝特番は人の心を動かしたのだ。


この番組を見た後私は不意に、GYAOせいやが相方に対する想いを語る場面を思い出した。


「2冠獲って粗品すごいってみんな言ってるけど、浅い。」
「こんなもんじゃない。みんなが思てるよりもっとすごい」


どうやら、あの時に我々が言っていた「すごい」は本当に浅かったようだ。