和牛の笑い飯化について
年末のお笑いビックイベントといえば「M-1グランプリ」
2018年は霜降り明星の優勝で幕を閉じたが、ここ数年どうしても避けられないのが「和牛」に関する話題だ。
ネチネチした嫌味なボケを繰り出す水田信二と端整なルックスのツッコミ川西賢志郎。2006年結成のコンビが「和牛」だ。
2015年、M-1が復活してから4年連続決勝進出し、3年連続で準優勝というとんでもない記録を持つ。
1度でも2位になったらそこから売れっ子の道を辿るため出場しない芸人もいる中、ストイックに優勝だけを狙う和牛の姿は漫才師の鏡と言ってもいいだろう。
しかし、優勝できない。
そこには色々な原因があると私は感じる。今回は「和牛が勝てない原因」を書こうと思う。
勝てない原因と言ったが、それは「漫才」そのものの事ではない。どちらかというと、他の「人間模様」が左右されているのではないだろうか。
2013年・2014年はTHE MANZAI決勝進出、2015年のM-1は6位で終わったが、そこから注目されていた和牛。
翌年の2016年に彼らは敗者復活から勝ちあがり最終決戦まで登りつめた。
しかしこの時の審査員5人中票が入ったのは1票。これは「去年はトレンディエンジェルが敗者復活から優勝した為、今年も敗者復活から優勝者を出すのは如何なものか」という心理状態が審査員の中で働いたのかも知れない。結果、3票入った銀シャリが優勝した。
そして優勝候補と期待された2017年。優勝したのは和牛ではなく、とろサーモン。
そこには「ラストイヤーバイアス」がかかっていたのではないかと思っている。
一言で言えば「勝たせてあげたい気持ち」がとろサーモンにより傾いた結果だと個人的には思っている。
結果3票入ったが、残りの1票を貰えず2度目の準優勝となった。
そして優勝候補筆頭となった今年2018年。決勝進出が決まったときに水田はこんな事を言った。
「M-1にはあと4回出れるんで4連覇目指したいと思います」
私はこれが原因としか思えない。
勿論ボケの発言で、仮に今年優勝して来年も出続けるのかは不明だが、審査員側の心理としては
「これからも出場するのであれば、わざわざ今年優勝させなくても・・・」という心理がほんの少しでも働いてしまうのではないだろうか。
今年の最終決戦は「和牛」と「霜降り明星」のどちらかで迷っていた。そこで上記の心理が働き1票差で負けてしまう。
奇しくも「前の年の敗者復活でやったネタを最終決戦にぶつけたとろサーモン」と同じことをした霜降り明星に軍配が上がった。
まるで都市伝説の様なこじつけだが、和牛が優勝できない原因が見当たらないぐらい完璧な漫才を披露しているのも確かだ。
巷で言われている「まるで笑い飯みたいだ」という言葉。
2002年から9年連続で決勝へ進むが勝てない。結局M-1ラストの2010年に優勝したが、どうしても「飯と肉」が重なってしまう。
このまま笑い飯と同じ道を辿ると、ラストイヤーの2021年に優勝することになる。
そうなる前に来年2019年にはさっさと優勝して全国の和牛ファンを安心させて欲しい。